沖縄県、虐待防止条例を年度内に制定 万国津梁会議で議論


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児童虐待防止に関する条例について年度内の制定を目指す方針を示した玉城デニー知事=24日、県庁

 玉城デニー沖縄県知事は24日、県庁で記者会見し、児童虐待防止に関する条例について年度内の制定を目指す方針を示した。有識者の意見を聞く「万国津梁(しんりょう)会議」で児童虐待に関する会議を新たに設置することを明らかにし、説明した。7月25日に第1回会合を開き、児童虐待の課題や対策などについて議論を始める。

 千葉県野田市の小学4年の女子児童が自宅で虐待を受けて死亡した事件の発生後、国は6月19日、親による子どもへの体罰を禁止し、児童相談所の体制強化を盛り込んだ改正児童虐待防止法と改正児童福祉法を制定した。玉城知事は条例制定に向けて「万国津梁会議の意見を受け、正式に条例案を審議会に諮って年度中には県議会に提案したい」と述べた。

 児童虐待に関する「万国津梁会議」は人材育成・教育・福祉・女性の分野について議論する会議で、人権・平和をテーマにした会議に続く設置となる。年度内に2~3回の開催を予定している。

 委員は兵庫教育大の海野千畝子教授、日本心理研修センターの村瀬嘉代子理事長、琉球大教育学研究科の上間陽子教授、沖縄国際大総合文化学部の比嘉昌哉教授、同大同部の野村れいか講師、美ら島法律事務所の横江崇弁護士の6人。

 玉城知事は児童虐待について(1)発生する要因と予防(2)早期の対応と親子への支援(3)関係機関の連携(4)体罰―の4項目に関する議論を重点的に求めるとしている。その上で、児童虐待だけでなく子どもの貧困問題など幅広く議論してもらうとした。