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知花くららさん初歌集「はじまりは、恋」 結婚、流産経験、沖縄戦、米軍基地を詠む 

処女歌集「はじまりは、恋」の出版について語る知花くららさん=29日、東京都新宿区の紀伊國屋書店

 【東京】那覇市出身のモデルで女優の知花くららさん(37)の初歌集「はじまりは、恋」(角川書店)が28日発売された。県内では7月初旬に店頭に並ぶ。恋や結婚のほか流産した経験も赤裸々に詠んでいる。慶留間島の「集団自決」(強制集団死)の生き残りの祖父が経験した沖縄戦や現在の米軍基地の存在も題材にしている。

 29日は東京都の紀伊國屋書店新宿本店で刊行記念イベントがあり、知花さんは「短歌に出合ってこんなにも自由になれる場所があるのかと感動してはまっていった。31文字の小さな世界の中ならいくらでも裸になれる自分がいる。沖縄の方が沖縄の歌をどう感じてくれるか反応が楽しみ」と語り、今秋に母になるタイミングも踏まえて次歌集の出版も展望した。

 国連の世界食糧計画(WFP)日本大使として訪れた、貧困や食料不足の問題を抱えるアフリカや中東、アジア諸国の状況も歌われている。2017年に角川短歌賞佳作を受賞した作品「ナイルパーチの鱗(うろこ)」も収録されている。

 沖縄に関係した歌では、「手榴弾(しゅりゅうだん)のなければ細き青草で首しめあひぬあしびなーの森で」、「生きてゐてすまなかつたと泣く祖父の背中に落ちし一片のこもれび」、「校庭の金網くぐり裏山へつづくそてつと空薬莢(からやっきょう)」など沖縄戦や米軍基地も詠まれている。

 知花さんと短歌についてやりとりする歌人の永田和宏さんが解説を、歌人の俵万智さんが帯文を寄せた。カバー写真は篠山紀信さん撮影。200ページ、税別1600円。 【琉球新報電子版】