雨に泣く離島球児の力に 福島の男性が沖縄の離島7高校に70万円寄付 選手ら「プレーで応える」 本紙報道きっかけ


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寄付金に添えられていた手紙を手に笑顔を見せる宮古の豊原啓人監督(右)と佐渡山大空主将=1日、那覇市の沖縄セルラースタジアム那覇

 離島の球児の力になりたい―。開催中の全国高校野球選手権沖縄大会に出場している離島勢7校に福島県内の男性からの寄付が1日までに届いた。離島チームの試合が集中していた6月22 、23の両日が雨天順延となり、本島との往復で交通費や滞在費の負担が大きくなることを報じた本紙などのネットニュースを見て、思い立った。球児らは温かい支援への感謝を胸に「全力プレーで応えたい」と奮い立っている。

 各校に10万円ずつで、消印は25日。本紙は24日付に掲載し、ネット配信したため、困っていることを知り、すぐに行動したと見られる。添付の手紙には簡潔に思いもつづった。「日頃の努力を遺憾なく発揮していただきたいと思い、少額ではありますがご活用いただきたく、お送りいたします」「悔いのないよう、何より楽しんで、試合に臨んでいただければと思います」

 寄付を受けたのは八重山、八重山農林、八重山商工、宮古、宮古総実、宮古工、久米島の7校。

 開会式の日のカードがスライドした1日、各会場では離島チームの関係者から感謝の言葉があふれた。

 八重山の與那城吾朗監督はお礼の電話をすると、不在の男性に代わって妻から「頑張ってください」と励まされたという。「本当に言葉にできない」と目を潤ませた。宮古の佐渡山大空主将は「面識の無い方からも応援されている。頑張らないと、と気合が入る」と気持ちを引き締めた。