あなたは大丈夫?風疹抗体3割が「不十分」 那覇市が293人検査 低い20~50代男性のワクチン接種率


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風疹の予防接種

 沖縄県那覇市が2018年度に行った風疹抗体検査事業で293人が検査を受け、うち31%は抗体が不十分だったことが分かった。風疹は妊婦が感染すると胎児に難聴や心疾患が起きる可能性がある。抗体を持つ人が95%になると地域での感染が防げるとされ、地域全体でワクチン接種率を上げる必要がある。

 7月1日現在、県内では16人の患者が確認され、全国的にも発生が続いている。女性だけに集団予防接種をした時代があり、20~50代の男性はワクチン接種率が低く、患者数も多い。妊婦は予防接種を受けられないため、男性を含む地域の人たちが接種を受けて感染を防ぐ必要がある。

 那覇市の検査事業は妊娠を希望する女性とその家族などを対象に無料で行った。抗体がないことが分かってもワクチン接種は自費で、医療機関によって1万円程度かかる。本年度は県の事業も始まり、那覇市民以外も無料で検査を受けられる。はしかの抗体がなければ、はしかと風疹の混合ワクチン(MR)を無料で受けることができる。

 ただ「ワクチンが自閉症の原因になる」とする、ねつ造された医学論文の影響もあり、ワクチン接種を拒む人は世界的に増えているという。那覇市保健所の仲宗根正医師は「ワクチンのおかげで病気が発生しにくくなり、病気の恐ろしさが忘れられているのではないか」と警鐘を鳴らし、検査と接種を呼び掛けた。

 問い合わせは那覇市保健所(電話)098(865)7971。