立候補者が最も訴えたいことは?安里繁信氏、高良鉄美氏の第一声を分析してみると…


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(左)第一声を上げる安里繁信氏=4日午前9時すぎ、浦添市大平(右) 第一声を上げる高良鉄美氏=4日午前10時28分、名護市瀬嵩

 4日の参院選公示を受け、沖縄選挙区に立候補している自民新人でシンバホールディングス前会長の安里繁信氏(49)=公明、維新推薦=と無所属新人で琉球大名誉教授の高良鉄美氏(65)の主要候補2人の公示後第一声を分析した。安里氏は多くの時間を割き、国と県との政治的対立の解消などを訴えた。高良氏は辺野古新基地建設反対や子どもの貧困撲滅などを訴えた。

 安里氏の第一声は9分33秒。「右と左の対立を終わりにして、沖縄の政治を前に進めていく」と政治的対立の解消を掲げた。出身地浦添市での出陣式で、県と国の対立が続く状況をイソップ童話の「北風と太陽」になぞらえて話した。

 「辺野古」や「基地」という言葉は使わなかったが、「沖縄問題という旅人のコートに県も政府も北風を吹き続けていても解決しない。互いが胸襟を開いて理解を深め、未来志向で解決していく」と訴えた。

 自民党と公明党の連立開始から20年となる節目の年の選挙となる。日本維新の会県総支部の支援も受け「令和最初の国政選挙で(比例と)ダブルで勝利したい。皆さんの信用を寄せてほしい」と呼び掛けた。

 高良氏の第一声は6分23秒。辺野古の埋め立て工事が見える名護市瀬嵩の浜での出発式で「平和の一議席を守り抜くことが使命」と強調し、「この美(ちゅ)ら海を埋め立てることは絶対に許さない」と気勢を上げた。

 辺野古新基地建設の是非を最大の争点に掲げ、第一声のほぼ半分を新基地建設問題に費やした。地方自治や民主主義に触れ、建設反対の民意が示されたにもかかわらず工事が進んでいる現状を「民主主義の破壊だ」と強く批判した。

 全国的な争点にもなっている消費税増税についても言及。「暮らし、経済を破壊するもので、消費税がアップするたびに消費不況を引き起こしている。国政で消費税を増税することにノーを突き付ける」と訴えた。