エジプトに日本の公民館を 那覇のNPOが整備計画 文科省が支援


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「1万人井戸端会議」と共にエジプトでの公民館整備に取り組むギドさん(中央)(「グローバル公民館」ホームページより)

 沖縄県那覇市の繁多川公民館を運営するNPO「1万人井戸端会議」のエジプトに公民館を整備する計画が6月、文部科学省の「日本型教育の海外展開推進事業」に採択された。文科省の支援を受けて同NPOが2020年1~2月にもカイロにモデルとなる公民館第1号を開設する。繁多川公民館の講座で公民館の役割を学んだカイロ在住のモハメッド・アブデルミギード(通称・ギドさん)が同NPOと共に運営する。

 ギドさんは04年に内閣府の国際交流事業に参加して各国の教育に関心を持った。11年から15年まで妻・美幸さんの出身地である沖縄で暮らし、帰国後は1万人井戸端会議と共にエジプトでの公民館整備を目指して活動してきた。

 エジプトでは格差が大きく識字率は約2割にとどまるという。繁多川公民館館長で1万人井戸端会議代表理事の南信乃介さんは「誰もが学べる場所として公民館が求められている」と話す。互いに協力する文化を根付かせることや、若者の就労支援といった自己実現の支援にも力を入れる。

 南さんは「若者の支援は日本の公民館も弱い。エジプトに整備する公民館は日本で求められる公民館のモデルにもなる」と指摘する。

 カイロの公民館は学校近くに整備し、学校教育との連携を図る。現地の大学と連携し、公民館を支える人材も育成する。文科省の支援は19~20年度の2年間。その後はギドさんが公民館を運営する予定だ。