【2019参院選・政策点検】②沖縄振興・経済成長 安里氏・北部に新民間空港 高良氏・最低賃金千円超に


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 21日投開票の参院選沖縄選挙区は沖縄振興など経済についても大きな争点だ。立候補した安里繁信氏と高良鉄美氏は10月の消費税率引き上げなどを巡って見解が分かれた。

 安里氏は「財政健全化に向けた判断として現状は妥当と認識している」とした上で、5年先、10年先を見据えて税収の在り方を含め行財政改革が求められるとしている。高良氏は「所得の低い人ほど負担が大きい。購買力低下につながる」とし、沖縄と日本経済に打撃になるとして反対する。総合的な税制の公平化を図るとしている。

 2021年度で期限が切れる沖縄振興特別措置法の延長については、両氏とも「必要」で一致した。

 安里氏は一括交付金について「執行率の低さという課題を次の振興計画でどう解決していくかが重要だ」と指摘する。高良氏は一括交付金は評価するが「政権が基地問題とリンクさせて予算を削減しているのは大きな問題だ」と批判する。酒税軽減措置や公共事業の高率補助の適用延長については両者とも「必要」としている。

 安里氏は交通混雑の解消に向けて「北部に新たな玄関となる民間空港を設置し、人の流れの起点を北部地域につくる」としている。リゾート目的の観光客は主に北部の空港、ビジネス客などは那覇空港と使い分けることによって、渋滞解消と成長が両立できると主張する。外国人労働者の受け入れについて沖縄からの海外移民の子孫を対象にした就労ビザの緩和を提唱している。

 高良氏は県民所得の引き上げについて「中小企業を支援しながら最低賃金を千円以上とし、将来的には1500円以上を目指す」としている。非正規雇用の社員を正社員化する企業に対して助成を行うことによる正規雇用率の改善や、労働者派遣法を抜本的に改正することで派遣労働を一時的な業務に限定するとしている。保育士や介護士などの処遇の改善にも取り組むとしている。
 (’19参院選取材班)