【糸満】市西崎の糸満帆掛サバニ振興会が5日、県庁で記者会見を開き、かつて離島住民の足として使われていたサバニの歴史や文化を知ってもらおうと、11~13日、帆掛サバニを横並びにして柱や綱でつなぐ「組船(トゥヤーシブニ)」で糸満~久米島の約100キロを航海すると発表した。
3日間の間に渡嘉敷島、渡名喜島にも寄り、三つの島の小中学生約150人の乗船体験も予定されている。同会初の試みを前に、事務局長の玉城樹さん(69)は「かつて生活物資や家畜などを運ぶために使われていたサバニを実際に体験してもらえる貴重な機会になると思う」と話した。
サバニは現在、旧暦5月4日「ユッカヌヒー」に各地で開かれるハーリー・ハーレーの競漕(きょうそう)用などとして知られている。同会相談役の山城昌樹さん(69)は「競漕用のサバニはスピードを重視するために形が変わっている。今回の体験を機に、離島の人々の生活を支えたサバニ本来の形を知ってもらいたい」と呼び掛けた。
今回使う帆掛けの木製サバニは長さ約8メートル、幅約1・3メートルの2艇。こぎ手は同会のメンバーが中心となり、島民も交代で乗る。小中学生の体験乗船は糸満からスタートする11日は渡嘉敷島で約60人、12日は渡名喜島で約25人、13日は久米島で約60人ほどが乗る予定。