【浦添】財政難で7月末の閉園を予定していた浦添市伊祖の認可外保育施設「美咲保育園」(園児94人)が、少なくとも来年3月まで運営を継続することを決めた。10日、運営継続を求める嘆願書への回答として、銘苅秀人代表や松本哲治市長が保護者に明らかにした。園は市の指導や助言を受けながら、再来年4月の認可園化を目指す。保護者からは「最悪の事態を避けることができた」「いい回答をもらった」など安堵(あんど)と喜びの声が上がった。
10日夜、市役所には約40人の保護者らが集まった。園側は土地の売却と保育料の値上げで、来年3月までの運営費を賄うと説明。それでも赤字経営が続くことから、企業や個人からの寄付を募る―とした。並行して施設の建て替えなど、認可化に向けたプロセスを進めるという。
松本市長は「よく決断してくれた」と園を評価。その上で「認可化は簡単な話ではない」とし「市がしっかり指導していく」と強調した。認可化に向けたプロジェクトチームを発足させる方針で、保護者へ参加と理解を求めた。
保護者有志の会の池間渉さん(38)=同市=は「年度内は子どもが同じ環境で過ごしていける。一安心だ」と話した。保護者らは6月27日、市と園に嘆願書を提出。7月8日には7217筆の署名簿を提出し、「少なくとも本年度末までの運営継続」などを求めていた。