21日投開票の参院選沖縄選挙区は、自民新人でシンバホールディングス前会長の安里繁信氏(49)=公明、維新推薦=と、「オール沖縄」勢力から支持を受ける無所属新人で琉球大名誉教授の高良鉄美氏(65)の事実上の一騎打ちとなり、激しい選挙戦が繰り広げられている。両候補の趣味や尊敬する人物などを取り上げ、人物像に迫った。家族には候補者の素顔を語ってもらった。(’19参院選取材班)
~ 家族が語る候補者 ~
誰とでも同じ目線で 安里氏の妻・志乃さん
2006年に結婚した当初から仕事や青年会議所の活動が忙しく、平日は夜遅くに帰ってきて週末も家を空けていることが多かった。しかし休みが取れた時には必ず子どもたちを外に遊びに連れて行ってくれる。本人の性格もあると思うが、家でごろごろすることは一切しない。とても良いパパで、子どもたちと同じ目線で一緒にふざけ合っている。どの立場の人とも同じ目線で考えられる人だと思う。
家では仕事の話もするが、決して弱音を吐かないとても強い人。常に先のことを描きながら、それに向かって努力していく。大きな目標を語って生意気と言われることもあるけれど、口に出して言葉にすることで自分にプレッシャーをかけているところがある。
最初に選挙の話を聞いた時には、家庭のことも考えて「あえてやらなくてもいいのでは」と思って正直戸惑いもあった。しかし多くの人が支えてくれたことや本人の熱い思いを聞いたことで考えが変わった。最後まで一緒に頑張っていく。
怒ることなく穏やか 高良氏の長女・沙葵さん
父は怒ることはほとんどない、穏やかな性格。中学2年生の時にシングルファーザーになったが子育てと研究をうまく両立させていた。
忘れられない出来事がある。高校3年生のころ、進路に悩んでいた私に「悩んでいるならついて来なさい」とタイで行われる平和シンポジウムに誘われた。そこでは世界の人々と話をすることができ、外から沖縄を見てみようと県外への進学を決めるきっかけとなった。「―しなさい」など頭ごなしに指示したりはしない。子に自主性を持たせて意見を尊重してくれた。
選挙に出ると聞いた時は「絶対に戦えない」と思った。憲法や基地の話は聞いたことはあったが、経済や福祉の話は聞いたことがなかった。父には「相手候補の政策がいいと思ったら相手に入れる」と言った。
今では憲法以外の政策もいいと思っている。口下手だが、論戦などを通じて少しずつ演説はうまくなってきた。話がうまくなる様子は子どもだが親心を持って見守っている。