社会

袋に何十羽も詰められ、捨てられ…「傷ついた闘鶏を助けたい」 沖縄・東村の男性が保護

懐いた闘鶏を抱き、保護の必要性を語る田丸正幸さん=6月27日、東村平良

 闘鶏(タウチー)引き取ります―。沖縄県東村の自営業田丸正幸さん(50)=福岡県出身=は闘鶏でけがを負ったとみられる鶏が捨てられる事案が県内各地で相次いでいることに心を痛め、保護する活動に取り組んでいる。現在は広い敷地で約20羽を飼育。田丸さんは「闘鶏文化は理解できる。ただ捨てられ方がひどい」と語り、少しでも鶏を助けたい考えだ。

 思い立ったのは昨年8月。本島南部で鶏を保護していた知人宅にけがをした鶏が捨てられるようになったことを知ってからだ。その中には袋に何十羽も詰められ、一部は死んでいたこともあった。「あまりにかわいそう」。8羽を引き取った。

 その後、地元の知り合いから「使っていい」と言われた100坪超の土地を4月から一人で切り開き、四つの鶏小屋を製作した。20羽を飼育するが、保護したのは闘鶏だけではない。卵を産み終えた「ハイケイ(廃鶏)」をオオウナギを釣る餌にすると聞きつけ、その鶏も引き取った。

 保護する背景に、鶏への特別な思い入れがあるわけではないという田丸さん。たまに鶏の卵からひよこがかえることもあり、「なぜ増やしているのか」と疑問視されることもあるが、田丸さんは「自分のできる範囲でいいと思う。そうしないと無残に死ぬのが増えるだけだ」と語る。悲惨な状況から救い出そうという一心で活動を始めた。

 最初は慣れず、くちばしでつつかれてばかりだったが、今は懐いており「みんな一斉に日なたぼっこしている。飼ったら、飼ったでかわいい」と笑う。広い場所でストレスが少ないせいか、毎日のように卵を産む。卵は近所の人に分けており、保護に理解を示す人も出てきた。

 今後、鶏が増えればさらに敷地を拡張する計画だ。鶏のけががひどい場合は保護が難しいが、「できることはしたいので相談してほしい」と語った。問い合わせは田丸さん(電話)080(6498)0414。
 (仲村良太)


(2019年7月14日付 琉球新報/朝刊/24頁/社会 掲載)