入域観光客数1千万人を目前に控え、基幹産業の観光業の成長について両氏とも施策の充実を訴える。
観光産業のさらなる成長に向け、安里氏は国内市場や香港や台湾、韓国、中国などの近隣国への継続的な展開に加え、欧米やオーストラリア、ロシアなどへの路線拡充による積極的な市場開拓に努めるとしている。高良氏は観光の質の向上と地元収益の拡大により、観光産業従事者の所得向上を図るとしている。歴史や伝統行事、文化、芸能といった魅力を生かした観光発展に取り組むとする。
県が検討を進めている観光目的税制度の宿泊税導入について安里氏は「補助金に頼らない自主財源の確保は自立型経済を推進していく上で必要不可欠」との認識を示した。高良氏は賛成の立場で「県民生活と調和したリゾート地の形成に役立つよう国政の場から支援する」としている。
県が単独での整備を検討している大型MICE施設の建設については、両氏とも賛成の立場だ。
安里氏は沖縄観光をさらに飛躍、発展させていくためには大型MICE施設の整備が不可欠とした上で、莫大(ばくだい)な投資を必要とするため、県単独での事業推進については危惧する。「国家プロジェクトとして推進していくべきだ」としている。
高良氏は、大型MICE施設はアジアの活力を取り込んで沖縄の成長可能性を最大限に引き出し、自立型経済構築と東海岸地域の振興、県土の均衡ある発展に資する極めて重要な施設として「整備の必要性は高いと認識している」とする。
カジノ解禁を含む統合型リゾート施設(IR)整備法が2018年8月に成立した。
沖縄でのカジノ営業解禁について安里氏は統合型リゾートの需要がどの程度あるのか調査が必要だとして「ニーズに対応した目的地づくりの努力をしていくべきだ」とした。高良氏は、自然や文化などのソフトパワーが沖縄観光をけん引しているとして「沖縄観光の将来に悪影響を及ぼしかねない」と反対している。