沖尚が沖水にリベンジ 勝利のポイントは 高校野球沖縄大会


社会
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 高校野球の第101回全国選手権大会沖縄大会第10日は14日、沖縄セルラースタジアム那覇で3回戦が行われ、沖縄尚学が4―1で第2シードの沖縄水産を破り、8強入りを決めた。

◆沖尚、勝負強く雪辱/数少ない好機に集中打

4回2死二塁、沖尚の5番・崔哲〓の適時打で本塁へ向かう2走・水谷留佳=14日、那覇市の沖縄セルラースタジアム那覇(又吉康秀撮影)

 悔しさをバネに勝負強さを身に付けた沖縄尚学が、リベンジを果たした。相手は秋季準決勝で無安打無得点に封じられたエース國吉吹を擁する沖縄水産。あれから9カ月。「バットを振ってきた数は負けない」(水谷留佳主将)と自信を取り戻した打線が、四回と九回に安打を集中させて数少ない好機をものにし、勝利を手にした。

 転機は四回表。1番神里航平が左前打でチーム初安打。打てなかった國吉からの初ヒットにベンチでガッツポーズしたという水谷が奮い立つ。犠打で1死二塁となり「この流れに乗ろう」と左打席へ。カウント3―1から狙っていた内への直球を右前にライナーで運び、同点。崔哲〓も中前打で水谷を返し、逆転に成功した。

 秋に投げ負けたエース仲村渠春悟も「リベンジしようと気合が入っていた」と思いは同じだった。強気に直球勝負したい気持ちを抑え、変化球を低めに集める。比嘉公也監督が「勝つピッチングに徹していた」とうなずく投球にバックも無失策で応え、1、2回戦をコールド勝ちした沖水打線を1点に抑えた。

 一つの壁を越えた沖尚ナイン。「優勝が目標だけど、目の前の試合に全力を尽くしていく」と水谷主将。5年ぶりの夏の甲子園出場へ、一丸で挑む。
(長嶺真輝)
※注:〓は「緯」の「糸」が「王」

▽3回戦
沖縄尚学
000 200 002|4
100 000 000|1
沖縄水産
(尚)仲村渠―岡野
(水)國吉―宮城
▽二塁打 水谷、崔(以上尚)、真栄城(水)
【沖尚は3年連続38度目のベスト8進出】

◆沖水、追加点遠く/完投の國吉「やり切った」

 追加点が遠かった。沖縄水産は二回以降の打線がつながらず、三塁すら踏めない。逆転を信じ「いけるぞ」「楽しめ」と互いを鼓舞する選手たち。しかし、我慢の投球を続けた國吉吹が最終回に追加点を許し、勝負が決した。

 1回戦でぶつかった昨夏に続き、今大会も沖縄尚学の前に涙を飲んだ。「打線が散発だった。結果は残念でした」と言葉少なの上原忠監督。ただ選手の奮闘はよく分かっている。國吉は被安打5で完投、野手陣は無失策で守り抜いた。指揮官は「がっぷり四つだった」と評価し、選手にかける言葉を問われると「よく頑張った」とねぎらった。

 仲間が泣きじゃくる中、國吉は最後まで笑みを絶やさなかった。高めに浮いた球を打たれて「悔しい」と言うが、最速144キロの直球を武器に四回と九回以外は安打を許さなかった「やり切ったので、最後まで笑顔でいようと」。エースの表情はすがすがしかった。

<きのうの結果>

▽3回戦
沖縄尚学 4―1 沖縄水産
美来工科 8―7 八重山
   (延長十回)
西原 9―4 知念
宮古 6―5 北谷

<15日の試合>

▽準々決勝
【セルスタ】10時
興南―宜野湾
沖縄尚学―美来工科
【しんきん】10時
美里工―読谷
西原―宮古