高良氏先行、安里氏追う 参院選沖縄選挙区 投票先未定3割超 本紙・共同通信電話世論調査


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(左から)安里繁信氏、高良鉄美氏

 21日投開票の第25回参院選に向け、琉球新報は共同通信と合同で14日から3日間、県内有権者を対象に電話世論調査を実施した。本紙の取材を加味し、情勢を分析すると、沖縄選挙区(改選数1)は「オール沖縄」勢力からの支援を受けている無所属新人で琉球大名誉教授の高良鉄美氏(65)が先行し、自民新人でシンバホールディングス前会長の安里繁信氏(49)=公明、維新推薦=が追う展開が続いている。ただ3割以上が「投票先を決めていない」と答えており、最終盤では無党派層や浮動票をいかに取り込むかが勝敗の鍵を握りそうだ。

 諸派新人の磯山秀夫氏(72)と無所属新人の玉利朝輝氏(60)は支持が広がっていない。

 高良氏は大票田である那覇市と沖縄市で安里氏をリードしているほか、名護市などの北部や中部でも浸透している。安里氏は保守地盤とされる南部市町村や先島地域で支持を伸ばしている。年代別では、高良氏が比較的高い年代で先行しているのに対して、安里氏は若年層で勢いがある。

 政党別では安里氏が自民支持層の7割強、公明支持層の約5割を固めた。高良氏は社民支持層の9割以上、立憲民主支持層の8割以上、共産支持層の約8割から支持を得ているほか無党派層にも浸透している。

 参院選の関心度を問う質問では「大いに関心がある」「ある程度関心がある」が計74・4%に上った。「あまり関心がない」「まったく関心がない」が合わせて24・1%、「分からない・無回答」が1・5%だった。

 投票先を「決めている」と回答したのは47・4%で、「だいたい決めている」の13・5%と合わせると60・9%。「まだ決めていない」は35・7%、「分からない・無回答」が3・6%だった。


<調査の方法>
 沖縄県内の有権者を対象に14、15、16日の3日間、コンピューターで無作為に発生させた番号に電話をかけるRDD(ランダム・デジット・ダイヤリング)法で実施した。実際に有権者がいる世帯にかかったのは981件、うち853人から回答を得た。全国では5万4050件に電話がかかり、このうち4万3614人から回答を得た。福島県の一部地域を調査対象から除いた。