【2019参院選沖縄選挙区】沖縄選挙区の終盤情勢と世論調査にみる支持政党


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 21日投開票の第25回参院選は残り4日となった。沖縄選挙区は自民新人でシンバホールディングス前会長の安里繁信氏(49)=公明、維新推薦、「オール沖縄」勢力の支援を受けている無所属新人で琉球大名誉教授の高良鉄美氏(65)が事実上の一騎打ちを繰り広げており、支持拡大に向け各地を奔走している。琉球新報は共同通信と合同で14日から3日間、沖縄県内の有権者を対象に電話世論調査を実施し、支持政党や終盤の情勢を探った。

【各地の情勢】南部で競り合い 支持拡大へ遊説や集会

 県内各地区の情勢を見ると、最大の票田である那覇市で高良氏が先行している。ただ、投票先を決めていない有権者が3割程度おり、両陣営とも最終盤は那覇市を中心とした都市部で無党派層の取り込みに力を入れる方針だ。那覇市や沖縄市などで、どれだけ得票を伸ばせるかが勝敗の鍵を握りそうだ。

 主要争点の一つとなっている米軍普天間飛行場の返還・移設問題で、移設先の名護市辺野古を含む本島北部地域では高良氏が先行し、安里氏が追っている。両陣営ともに選挙戦序盤に北部地域に入り、集会を開くなど支持拡大を狙っている。

 米軍基地が多く、騒音などの基地被害が絶えない本島中部地域の革新地盤では、高良氏は安定した戦いを繰り広げている。安里陣営はうるま、沖縄、浦添、宜野湾の各市長が支部長を務め、自公のセット戦術で票の掘り起こしを進めている。高良陣営は玉城デニー知事と共に沖縄市やうるま市のイベントに参加するなど、課題である知名度向上を図っている。国政野党の国会議員や県議、市町村議も遊説やスポット演説に同行するなどして支持の拡大を図る。

 保守地盤とされる本島南部地域では安里氏と高良氏が激しく競り合う展開となっている。安里氏が企業の朝礼回りなどを中心に支持を固めている。高良氏は県議や市町村議を中心に無党派層への浸透を狙う。

 同じく保守地盤とされる先島地域では、安里氏を支援する首長がそれぞれ支部長に就任し支援に回るなど安里氏の訴えが浸透し、先行している。高良氏は選挙戦序盤の段階で支持の広がりが鈍く、事務所開きの参加者などが少ないなどの課題が指摘されていた。しかし終盤は自衛隊配備に反対する市民団体などの支援を受け、運動を加速させている。

【支持政党】「支持政党なし」最多32%/自民22%、立民7%

 支持政党についての質問では「支持する政党はない」が最も多く32・3%を占めた。次いで自民党22・1%、立憲民主党7・5%、共産党と社民党がともに5・8%、国民民主党2・5%、公明党2・4%、日本維新の会1・9%、その他が2・4%だった。無回答は17・4%だった。

 2018年9月の県知事選時の調査と比べると「支持する政党はない」と回答した人が15・1ポイント減少し、無回答が13・4ポイント増加した。

 年代別では、自民党が50代と70代以上を除く年代で20%以上の支持を集めている。

 立憲民主党は20代で14・9%だったが、30代と40代でやや支持が低い傾向にある。

 「支持する政党はない」と答えた人は、10代で32%、20代では21%、30代で32・9%、40代で36・4%、50代で40・3%、60代で30・2%、70代以上では29・4%だった。


<調査の方法>
 沖縄県内の有権者を対象に14、15、16日の3日間、コンピューターで無作為に発生させた番号に電話をかけるRDD(ランダム・デジット・ダイヤリング)法で実施した。実際に有権者がいる世帯にかかったのは853件、うち643人から回答を得た。全国では5万4050件に電話がかかり、このうち4万3614人から回答を得た。福島県の一部地域を調査対象から除いた。