【2019参院選沖縄選挙区】 辺野古移設、憲法…沖縄の有権者はどう考える


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 21日投開票の参院選に向け、琉球新報は共同通信と合同で14日から3日間、沖縄県内の有権者を対象に電話世論調査を実施した。選挙戦の主要争点である米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設や憲法改正の是非などについて、有権者に聞いた。

【普天間移設】「閉鎖・撤去すべき」が最多30% 県外は22%、辺野古推進は19%

 米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設についての質問には、普天間飛行場を「閉鎖・撤去すべきだ」と答えた人が30%と最も多かった。「県外に移設するべきだ」は22・1%、辺野古への移設を「進めるべきだ」は19・4%、「国外に移設するべきだ」は13・5%だった。

 支持政党別では、自民党支持者の49・1%、公明党支持者の32・8%、日本維新の会支持者の55・2%が辺野古への「移設を進めるべきだ」と回答した。

 一方で共産党支持者の57・7%、社民党支持者の51・3%、立憲民主党支持者の38・4%、国民民主党支持者の37・7%、日本維新の会支持者の41・9%が普天間飛行場の閉鎖・撤去を選んだ。

 支持政党を持たない無党派層でも、閉鎖・撤去が最多の31・3%だった。

 年代別では、18、19歳では県外移設が最多の49・5%を占めた。40代は辺野古への移設を「進めるべきだ」が29・9%と最も多かった。

 他の年代ではいずれも閉鎖・撤去を選んだ人が最多だった。

 男女別では、男性は辺野古への移設を「進めるべきだ」が26%で最多、女性は閉鎖・撤去が35・4%で最も多かった。

【辺野古埋め立て】「支持しない」が54% 「する」は10%

 政府が進める辺野古の埋め立て工事に対する賛否を聞いたところ「支持しない」が54・9%以上を占めた。「支持する」は10・3%にとどまり、「どちらとも言えない」が27・9以上だった。年代別で見ると30代と40代を除く全ての年代で「支持しない」が5割以上を占めた。

 また「支持しない」と回答した人の6割以上が高良氏に投票する意向を示した。高良氏は今選挙戦で辺野古埋め立て反対を前面に訴えており、辺野古の埋め立てに反対する人から支持を集めている。

 一方で「支持する」と回答した人の5割以上と、「どちらとも言えない」と回答した人の4割以上が安里氏を支持した。安里氏は辺野古埋め立てへの賛否を明確に示していないが、安里氏を公認している自民党は埋め立てを進める方針を示している。安里氏は埋め立て賛成派と賛否を示していない人から支持を得る傾向にある。

【選挙への関心】「関心ある」が74% 前回調査から5ポイント増

 選挙への関心は「大いに関心がある」(25・8%)と「ある程度ある」(48・6%)を合わせて74・4%となり、7月上旬の前回調査より5ポイント上昇した。ただ、3年前の前回参院選の際に実施した調査と比べると関心度は2・1ポイント下回った。

 一方、関心が「あまりない」(19・6%)と「まったくない」(4・5%)は合わせて24・1%で前回調査より5・9ポイント上回った。前回参院選との比較では、1ポイント上昇した。

 「関心がある」を年代別に見ると、70代以上が最も高く、85・4%だった。割合が8割を超えたのは70代以上と60代の82・4%のみだった。対して、最も低かったのは30代の62%だった。

 前回の参院選から選挙権が付与された18、19歳は「関心がある」が78・1%で20~40代と比べ関心度は高い数値だった。

 性別で見ると、男性の関心度は75・6%と女性の73・6%を2ポイント上回った。

 一方、関心がない割合は男性が24・0%、女性は23・9%とほぼ同率だった。

【憲法改正】「反対」が61%、「賛成」が12% 各年代で反対50%超

 安倍政権が目指す憲法改正については「反対」が61・6%を占めた。「賛成」は12・8%にとどまり、「分からない・無回答」は25・6%だった。性別で見ると男女ともに「反対」が6割程度を占める結果となった。年代別で見ると、全ての年代で5割以上が「反対」と回答した。

 安里氏は憲法改正に賛成する立場を表明しており、「賛成」と回答した有権者の5割以上が安里氏への支持を表明している。

 一方、高良氏は憲法改正に反対の立場で、「反対」と回答した人の5割以上から支持を集めている。「分からない・無回答」と回答した人の2割程度が安里氏、1割超が高良氏に投票する意向を示した。


<調査の方法>
 沖縄県内の有権者を対象に14、15、16日の3日間、コンピューターで無作為に発生させた番号に電話をかけるRDD(ランダム・デジット・ダイヤリング)法で実施した。実際に有権者がいる世帯にかかったのは853件、うち643人から回答を得た。全国では5万4050件に電話がかかり、このうち4万3614人から回答を得た。福島県の一部地域を調査対象から除いた。

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 ◎全国の調査と予測の方法

 【議席の予測】

▽選挙区 過去の参院選挙区に立候補した候補者の世論調査支持率と、実際に獲得した得票率の相関関係を分析し、選挙区や候補者の特性に応じた予測式を用意した。今回の世論調査で得た各候補者の支持率をこれらの予測式に当てはめ、選挙区ごとにシミュレーション(模擬投票)を行い、候補者ごとの推定得票率と当選確率を算出した。これを積み上げて、党派別予想議席数を推計した。

▽比例代表 過去の参院比例代表選挙での各党派の世論調査支持率と、実際の得票率との相関から予測式を作成した。この予測式に今回調査での各党の支持率を当てはめ、シミュレーションで都道府県ごとの党派別推定得票数を算出、これを全国に積み上げてドント計算し、各党派の予想議席数を推計した。