害虫ガ、2匹目幼虫確認 中国から成虫飛来か


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 11日に沖縄県内で初確認されたトウモロコシやサトウキビ、イネなどの植物に被害を与える害虫のガ「ツマジロクサヨトウ」について、県農林水産部と那覇植物防疫事務所の合同調査で、恩納村の飼料用トウモロコシ畑から幼虫計2匹が確認された。11日にツマジロクサヨトウと思われる幼虫を発見し、翌12日にも同じ畑で2匹目が見つかった。

 ツマジロクサヨトウは植物の実や成長点を食べて害をもたらす。国内ではほとんどがトウモロコシ畑で確認されているが、サトウキビに発生する可能性もあるという。県はまん延を防ぐため、効果的な農薬の散布やトウモロコシの刈り取り作業など国と連携した初動防疫を行っていく。

 那覇植物防疫事務所の担当者は「ツマジロクサヨトウは飛行能力が高い。中国南部や台湾から成虫が飛んできた可能性がある」と話した。

 北米や南米に生息するツマジロクサヨトウは、2018年にインドで確認されて以来、急速にアジアで分布を広げている。今月3日に鹿児島県で国内で初めて確認されたことを受け、県と那覇植物防疫事務所は9日から緊急調査を実施していた。

ツマジロクサヨトウの幼虫(植物防疫所ホームページより)
ツマジロクサヨトウの成虫(植物防疫所ホームページより)