頭蓋骨もDNA鑑定の対象 沖縄県保管の遺骨にも適用 厚労省が方針固める


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今後の戦没者の遺骨収集の在り方について話し合う有識者ら=18日、厚生労働省

 【東京】厚生労働省は18日までに、沖縄を含む南方地域で戦没者遺骨のDNA鑑定の対象となる遺骨の部位について、頭蓋骨を加える方針を固めた。これに伴い、戦前に沖縄から多くの移民が渡った南洋諸島の遺骨もほぼ全て焼骨せずに国内に持ち帰る方向となった。頭蓋骨に含まれる側頭骨錐体(すいたい)部はDNAの保存状況がいいとされる。従来、検体としてきた歯と四肢骨に、新たな部位が加わることで鑑定対象となる遺骨が増え、身元特定の可能性が高まりそうだ。

 同日の戦没者の遺骨収集事業の在り方を議論する有識者会議で厚労省が案を示し、ほぼ了承した。7月中に再度会議を開き中間報告としてまとめる。

 県内の戦没者遺骨について厚労省は3月、県が未焼骨で保管している約700体分や、各地の慰霊の塔に収められた遺骨もDNA鑑定を行う方針を示した。これらについても頭蓋骨を対象とする方向だ。現在、県と調整しているという。

 南洋諸島から焼骨せずに持ち帰る場合も現地での追悼式は行う方向だ。

 沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」の具志堅隆松代表は「DNA鑑定の技術も上がってくる。焼骨せずに日本に持ち帰ると、遺族に帰せる可能性は上がる」と述べた。頭蓋骨も対象に加える方針について「歯が抜け落ちた頭蓋骨は多い。一つ前進だ」と評価した。

 一方、国によると未収容となっている112万人分の遺骨のうち、海没などで収容困難なものを除く約59万人分は収容可能と見られる。具志堅さんは「国として残された遺骨収集をどう展開していくかも示してほしい」と訴えた。