【八重山】豊作や地域繁栄などを祈願する豊年祭の季節が八重山に到来した。14日には石垣市川平の豊年祭が行われ、住民らが祈りをささげた。同地域の御嶽の一つ、赤イロ目宮鳥御嶽で行われる同所独特の大石「ビッチュル」を担ぐ儀式は突然降り注いだ大雨の影響で中止となったが、境内の中央まで石を移動させ、御嶽に宿る神に今年の五穀豊穣(ほうじょう)、無病息災を報告し、感謝をささげた。
ビッチュルの奉納儀式には例年、地域住民のほか観光客も多く訪れる。儀式が始まる準備は整っていたが、突然降り出した大雨で境内はぬかるみ、ビッチュルもぬれて滑るため、担いで境内を回る奉納は中止となった。ビッチュルの責任者を務める大屋広男さん(66)によると、1989年に責任者を受け継いでから奉納が中止になるのは初めてだという。
ビッチュルは年々大きくすると言い伝えられている。大屋さんは「『来年はさらに大きくなった石を奉納するので、楽しみにしてほしい』と神様に伝えた」と話した。
雨が上がり、晴天が訪れた後には赤イロ目宮鳥御嶽前で旗頭が奉納された。
豊年祭は7月下旬をピークに、各地で開催される。