那覇空港と国際通り、那覇バスターミナルで、障がい者や高齢者などを対象にした観光案内所「沖縄バリアフリーツアーセンター(BFTC)」を運営するNPO法人バリアフリーネットワーク会議(親川修代表)は20日までに、2018年度の運営実績報告書をまとめた。外国人観光客からの問い合わせ件数は1206件で、外国人客に関する統計を取り始めた14年度の192件から6・3倍に増えた。観光の好調さが続き外国人客が増加する中、体の不自由な外国人客の来沖も増加していることが見て取れる。
国内客も含めた18年度の全体の問い合わせ件数は、前年度比15・2%増の2万745件だった。9年連続で増加した。18年10月に那覇バスターミナルのBFTCを開所したことも、問い合わせが増加した要因となった。
外国人客からの問い合わせは国際通りが496件で最も多く、那覇空港の492件、NPO事務局の118件、那覇バスターミナルの100件と続く。17年度は那覇空港での問い合わせが最も多かったが、18年度は国際通りが上回った。
案内所で実施している車いすの貸し出し事業も、全848件のうち外国人客への貸し出しが129件(15・2%)を占め、外国人客への対応が増加している。車いすの貸出日数を分析すると、平均日数は国内客の3・17日に対し、外国人客は約1・4倍の4・45日になっている。
親川代表は「外国人客が増える中、外国の障がい者や高齢者向けの対応は必要性を増している」と指摘する。
その上で「車いすの貸出日数は日本人客より外国人客の利用日数が長い。こうした層への対応を強化することで、観光消費額の増加にもつながる」と話した。
また、18年度の月別の問い合わせ件数は10月が2289件で最も多く、3月の2205件、2月の1887件と続く。同NPOは「県全体の入域観光客数は8月が最も多くなっており、障がい者や高齢者は観光のピーク月を避けて来県している様子がうかがえる」と分析している。