「オール沖縄」連勝でどうなる? 沖縄県内政局


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厳しい表情でテレビ番組の開票速報を見つめる安里繁信氏(前列左から4人目)=21日午後8時5分、那覇市牧志の選挙事務所

 令和初となった参院選の沖縄選挙区は「オール沖縄」勢力が推す高良鉄美氏が初当選した。「オール沖縄」勢力にとって昨年9月の県知事選、4月の衆院沖縄3区補欠選挙に続く勝利で、来年6月の県議選に向け弾みが付いた。県民投票で示された新基地建設「反対」の民意が揺るぎないことが示されたことで、玉城デニー知事にとっても求心力を強めるとともに、新基地建設阻止に向けて追い風となる。

 3月に中川京貴県議を県連会長とする執行部を発足したばかりの自民県連は2連敗を喫した。県連として辺野古「容認」を掲げているにもかかわらず、辺野古の賛否を明確にしなかった安里繁信氏を擁立した経緯も含めて今選挙の結果をどう総括するか。県議選に向け戦略と態勢の立て直しが急務となる。

 参院選沖縄選挙区は、知事選、衆院3区補選と同様に「オール沖縄」勢力と、政府与党に維新が加わった「自公維」が対決する構図となった。高良氏は、玉城知事や現職の糸数慶子氏とのセット戦術を徹底することで、課題だった知名度不足を克服した。玉城知事にとっても県政与党が連勝したことで安定した県政運営に好材料となった。

 参院選が終わり、県内政局の焦点は来年の県議選に移る。自民県連は既に現職12人の公認を発表しており、最終的には20人程度の候補者擁立を目指す。対する県政与党も参院選が終わったことで候補者の擁立を本格化させる構えで、年内には候補者の顔ぶれが固まりそうだ。
 (吉田健一)