【浦添】沖縄県浦添市消防本部は22日、職場内で部下の男性(38)=消防士長=に暴言を吐くなどパワーハラスメント行為があったとして、消防司令補の男性(43)を停職2カ月の懲戒処分にしたと発表した。市の調査の結果、パワハラは15年間にわたって行われ、被害者は職員の約3割に上った。市消防本部は「管理職、組織の問題意識の低さがあった」とし、研修会実施などで再発防止に努めるとしている。
同本部消防総務課によると、今年1月上旬、消防士長から「司令補の暴言や無視などで精神的苦痛を受け、体調を崩した」との訴えがあった。当時、2人の所属は同じで、司令補は消防士長に「調子に乗るな」「俺を怒らせるな」などと大声で度々、暴言を浴びせたという。消防士長は同月下旬から約3カ月間、療養のため休職した。
市ハラスメント調査委員会の聴き取りの結果、この司令補のパワハラは2003年から確認され、脅迫的な言動や無視、一部で肩を殴られるなどの被害があった。職員百人のうち、被害者は31人に上った。比嘉武志消防総務課長は「その場その場で注意していたが、組織的対応を取っておらず、被害を長引かせてしまった」と釈明した。
同本部は管理監督責任として、22日付で消防長を口頭注意、所属課長らを文書訓告とした。再発防止策として、ハラスメントに関する研修や面談での状況把握などを挙げ、「消防行政の信頼回復に全力で取り組む」としている。