建設業の光建設(糸満市、徳元猛社長)と沖創工(那覇市、伊佐一社長)、アルコ(三重県、東和生社長)は24日までに、移動可能な循環型水洗トイレ「ミニソフィ」を開発した。上下水道や電気が不要で、アルコの水洗トイレ「ソフィール」の技術を応用。9月にも第1号の製品が完成する予定で、3社は沖縄県外やアジアでの展開を目指す。
ソフィールは水洗トイレから出る汚水を一次処理した後、微生物を含んだ土壌に染み込ませることで、有機物の分解を促進する。処理した汚水は殺菌後、再度トイレ洗浄水などに利用できる。世界遺産や国立公園など200カ所以上への設置実績がある。
ソフィールを応用したミニソフィの開発は、中小企業基盤整備機構沖縄事務所の支援を受け、国の「新連携事業」の補助を受けて実施した。雨水と太陽光発電を使うことで上下水道、配電設備も不要となる。配水や電気設備を導入しにくい島しょ部や災害時の利活用が期待される。
徳元社長は「環境負荷の低減や災害時活用など社会課題解決に寄与する製品だ。資材などは県内調達でメイドイン沖縄の製品だ。沖縄発の製品として全国、アジアに広めたい」とPRした。
ミニソフィの開発に合わせて、壁面デザインを県立芸術大学の学生から募集した。審査の結果、美術工芸学部3年の藤紗弥さん(20)、井上凛さん(21)の作品が最優秀賞に、2年の松田夏姫さん(21)、大学院1年の浦崎翔太さん(25)の作品が優秀賞に選ばれた。
藤さんは「とても素晴らしい製品だと感じた。私たちのデザインを使っていただけることを光栄に思う」と喜んだ。