伝統大綱引きへ心一つに 宜野湾大山・真志喜 28日本番に向け綱作り協力者募集


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
縄作り作業に汗を流す真志喜区民ら=14日、宜野湾市の真志喜公民館
わらをすく作業に取りかかる大山区民ら=16日、宜野湾市の旧大山公民館

 【宜野湾】沖縄県宜野湾市大山と真志喜の区民同士らが綱をぶつけたり引いたりする夏の風物詩・大綱引きが28日夕、大山小学校と真志喜中学校でそれぞれ開催される。両自治会関係者らが中心となり14日ごろから昼夜、旧大山公民館や真志喜公民館で綱作りに取り組んでいるが、人手不足のため協力者を募っている。

 豊作や繁栄、住民の健康などを願う両区の大綱引きは、旧暦6月15日の6月ウマチー(稲の収穫祭)の頃に開かれる。300年以上の歴史があり、綱引き前に雄と雌の綱を高く掲げてぶつけ合う「アギエー」が特徴だ。当日は多くの来場者でにぎわいを見せる。

 綱作りは伝統に倣い、わらしべをすいて、縄や綱を編み、二つの綱をつなぐカナチ(またはカナキ)部分を作るまで全て手作業だ。戦後から数十年前は、区民が総出で綱引き前日の一日で仕上げていたという。現在は自治会員が減ったり、仕事が忙しくて参加できなかったりで、作り手が少なくなっている。

 大山の名城克巳自治会長や綱協力会の又吉博之会長は「カナチを作れる人が少なくなっているが、伝統をつないでいかないといけない」と踏ん張る決意。真志喜の伊差川正美自治会長は「行事を通して集まることで団結やコミュニケーションになる。伝統文化を切らさないようにしたい」と協力を呼び掛けた。