在沖海兵隊移転計画の再調査を 米国防権限法案に明記 住民の支持や総事業費を分析


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 米連邦議会を通過し、トランプ大統領の署名待ちとなっている2020会計年度の米国防権限法案に、在沖米海兵隊をインド太平洋に分散移転する現行計画を再調査すべきだとの要求が盛り込まれていることが分かった。沖縄のほか、米軍が駐留する移転先の地域住民の支持や総事業費などを再調査し、計画を続行するか変更するかを国防長官が判断すべきだとしている。

国防権限法案は国防予算の大枠を定めるもので、6月末に上院、7月12日に下院で可決した。トランプ大統領の署名を経て成立する。

 法案は前段で「在沖海兵隊の削減は急務であり、国防長官は沖縄やグアム、ハワイ、オーストラリアなどの部隊の展開計画を再調査しなければならない」と記述。再調査の内容として、地元住民の政治的支持の評価、総事業費の精査、増大する軍の規模・訓練の分析―などを挙げている。

 再調査の結果を受け国防長官は軍事委員会に対し、15日以内に現行計画を続行するか、日本政府と協議の下で変更するかどうかを伝えなければならないとしている。

 さらに(1)国防長官は120日以内にアラスカ、ハワイ、米本土、日本、オセアニアのどこかに代わりの基地を置くなど、計画変更を具体的に提案する(2)統合参謀本部議長は再調査結果と計画変更の提案を評価する―ことを報告する義務を課している。

 最終的には会計検査院が現状分析の報告書をまとめ、120日以内に軍事委員会に提出するよう求めている。(与那嶺路代本紙嘱託記者)