【ハイライト・県中学野球】優勝の長嶺、対決を制したものは何か


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長嶺―豊見城 4回1死満塁、レフト線に先制の2点適時打を放ち、塁上でガッツポーズする長嶺の山城寛太=26日、沖縄市のコザしんきんスタジアム

 軟式野球の第71回県中学校選手権最終日は26日、沖縄市のコザしんきんスタジアムで決勝を行い、長嶺が5―0で豊見城を下し、頂点に立った。長嶺の優勝は23年ぶり2度目。途中、雨天で約2時間の中断があったが、攻守で集中力を保った。先発の山城寛太、外間政吏、仲村颯太が体力を残したままマウンドを引き継ぐ万全の完封リレーで豊見城を抑えた。打線は四回に山城の2点適時打で先制すると、最終回にも犠打を挟んだ4連打で、3点を加えて突き放した。

◆継投万全、打線につながり 雨天中断2時間なんの 山城、技あり決勝打

 豊見城勢同士の対決となった決勝。練習から徹底してきた流し打ちで打線がつながり、四回にエース山城寛太の2点適時打で均衡を破った長嶺が23年ぶりの栄冠を勝ち取った。守備では3人の継投で豊見城を零封。投打で活躍した山城は「自分たちの代は最初は結果が出なかった。3年になって優勝できたことはうれしい」と破顔した。

 投手戦だった試合が動いたのは四回表。1死満塁となった後、雨天による約2時間の中断を挟み、左打席に山城が立つ。「素振りをして準備はできていた」と、外角直球を巧みな流し打ちでレフト線ぎりぎりに運び、2人が生還。山城は一塁を踏むと同時に、ベンチに向かって拳を突き上げた。最終回には長嶺龍希の三塁打など4本の集中打で3点を追加した。

 継投もはまった。「暑く体力を消耗する中で、モチベーションが最高の時に代えるようにした」と中山邦彦コーチ。試合前から投手3人の投げる回数を4回、2回、1回と固めたことが、任されたイニングを投げきる責任感と球の勢いをもたらした。

 全国大会出場を見据える山城は「下半身をつくってコントロールを良くしたい」と課題を見詰める。決勝で長打2本と活躍した長嶺は「1番として出塁率を高めたい」と気を引き締めた。 (長嶺真輝)