586グラムで誕生した沖縄の小学2年生 闘病生活をつづった作品が文学賞特別賞に


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 【うるま】天願小学校2年の名護翔哉(かける)さん(8)が1年時に書いた作品「がんばりマン」が、3月の第10回子どもノンフィクション文学賞(主催・北九州市)で選考委員特別賞(最相葉月賞)を受賞した。586グラムの超低体重で生まれた翔哉さん。作品には、後の闘病生活や支える両親の話などを書いた。受賞を知った時は「うれしかった」と当時を振り返った。

子どもノンフィクション文学賞で選考委員特別賞(最相葉月賞)を受賞した名護翔哉さん=10日、うるま市宇堅の自宅

 翔哉さんは23週余で生まれ、新生児集中治療室(NICU)で7カ月半過ごした。気管が狭くなる「声門下狭窄(きょうさく)症」になり、生後4カ月目には気管切開の手術を受けた。声が出ない時期もあったという。

 母の尚子さん(49)は、翔哉さんが小さい頃から絵本を読み聞かせてきた。字が読めるようになると、翔哉さんは自分で物語を書いたり絵を描いたりするようになった。

 今回の「がんばりマン」は最初に十数枚のメモをしたため時系列に並べ直した後、400字詰めの原稿用紙6枚に書いた。作家の最相葉月さんは「どのエピソードからも実際の場面が想像でき、いつしか作者を応援していた」と評している。

 翔哉さんは他の物語の創作にも取り組んでおり、最近は「うさぎのパンや」という絵本を描き上げた。「絵本を描いてみんなを笑顔にしたい」という夢を持つ翔哉さん。書きたい物語はまだまだ尽きないようだ。