最大のチャンスがピンチに…初戦敗退の那覇西【南部九州総体2019】


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 全国高校総合体育大会で27日に行われた男子サッカーでは、2回戦から出場した那覇西(第1代表)が0ー1で北越(新潟)に惜敗した。西原(第2代表)は1ー6で神村学園(鹿児島)に敗れた。

那覇西―北越 前半、混戦からボールを奪う那覇西のFW山川樹(右)=27日、南風原町の黄金森公園陸上競技場(ジャン松元撮影)

 持ち味のポゼッションサッカーでボールを支配し、那覇西ペースで進んでいた後半開始約10分。最大の好機が訪れる。

 左サイドからMF上原琉暉が内側へ切り込み、中央でフリーのFW山川樹へラストパス。「とにかく思い切り打った」とダイレクトで左足を振り抜く。しかし守備のスライディングに間一髪ではじき返され、北越ボールに。好機が一転、最大のピンチに発展する。

 北越に守備が手薄の中央突破を許し、少ないパスで最前線まで運ばれ、先制される。すると、流れが一変した。那覇西は焦りからパスミスが増え、その後は目立った好機もなく、初戦で姿を消した。仲程飛雄主将は「みんながボールウォッチャーになってしまった」と一瞬の油断を悔いた。

 結果は惜敗だが、前線にパスを供給し続けたボランチの伊佐航平は「ボールを動かして主導権は握れたが、沖縄には無い守備の粘り強さがあって、差を感じた」とゴールの遠さを痛感した様子。仲程主将も「細かいパスやトラップにこだわらないと全国では勝てない」と課題を見詰める。

 冬の選手権に向け、今夏のチームテーマは「化ける」。仲程主将は「また、走り込みから始めます」と前を向く。悔しい敗戦を糧に成長し、もう一度全国の舞台に戻ってくる覚悟だ。

 (長嶺真輝)