沖縄の脳卒中は…脳出血の割合が高く、働き盛り男性の発症多い 高血圧の有病率の高さが課題 県医師会が患者を分析


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 沖縄県内では脳卒中に罹患(りかん)した患者に占める脳出血の割合が全国に比べて高く、全国の18%に対して約1・7倍の30%に上ることが県医師会の調査で分かった。特に男性は30代から60代までの働き盛り世代での発症が多く、県医師会は「脳出血では若中年層での高血圧の有病率が高いことが問題。働き盛りの脳出血ゼロを目指すためには、この層での高血圧対策が重要だ」と指摘し、個々人だけでなく社会全般での対応の必要性を訴えている。

 県医師会の「おきなわ脳卒中地域連携委員会」は、診断と提供された治療・処置の組み合わせによって患者の状態を分類する「DPCデータ」を用いて2014年度の県内脳卒中患者の分析を実施。県内脳卒中患者4136人のうち脳出血と判断された割合は30%で、9万5844人のうち脳出血の割合が18%となった15年全国と比較して12ポイント高い状況にあることが判明した。

 県医師会では17年に「65歳未満健康・死亡率改善プロジェクト」を立ち上げ、働き盛り世代の健康状態を研究している。脳出血患者の若中年層で高血圧の有病率が高く、15年県内の65歳未満(30~64歳)の死亡原因で最も多いのが高血圧関連疾患で、1909人のうち284人に上った。

 また65歳未満の高血圧関連疾患による死亡者284人のうち、脳出血の死亡数は男性が66人、女性が17人で計83人と約3割を占めた。

 プロジェクトに関わっている琉球大学グローバル教育支援機構保健管理部門の崎間敦教授は「自分が高血圧かどうか知らない人がたくさんいる。まずは自分の血圧を把握し、減塩・肥満の対策をしっかり取り組むことができる社会基盤をつくることを進めていきたい」と述べた。

 働き盛り世代による高血圧の原因は分析できておらず、県医師会では今後調査する予定。安里哲好会長は「コンビニや会社で気軽に血圧が測れる環境をつくれたらいいと思う。自分の血圧をセルフコントロールしてほしい」と呼び掛けた。