「新報への抗議 改めてしない」 参院選巡り自民県連


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
参院選を巡る地元紙報道に抗議する自民党県連の中川京貴会長(左)と島袋大幹事長=7月24日、自民党県連

 7月21日投開票の参院選についての本紙報道に対し自民党沖縄県連が抗議し記事の訂正を求めている件で、島袋大幹事長は2日、本紙に対し「既に7月24日の会見において新報に対しても沖縄タイムス同様に抗議したとの認識だ。今後改めて新報に対し抗議する考えはない」とし、本紙に直接抗議はしない方針を示した。

 本紙は自民党が擁立した安里繁信氏の敗因などについて「県連関係者は『企業が動かない中で、予想よりも善戦したと言える。評価は難しい』と漏らした」と連載で報じた。これに対し中川京貴県連会長は24日の会見で「企業が動いたから23万票も得票があった」と不満を示した。

 会見後、中川会長ら県連幹部は本紙には「抗議していない」と説明していたが一転し、今月1日の議員総会で7月24日の会見で本紙にも抗議したとの認識を統一した。


裏付け取材を尽くしている/琉球新報の松元剛編集局長の話

 7月24日に県連が会見を開いた際、案内文で本紙の記事は対象にしていなかった。会見では県連会長から本紙の記事も含めて発言があったと聞いているが、終了後に本紙記者が確認したところ、県連幹事長から「琉球新報には抗議も訂正要求もしていない」との説明を受けていたところであり、突然説明を変更したことには理解に苦しむ。

 民主主義の根幹となる選挙報道に際しては裏付け取材を尽くしている。今回県連が指摘した記述は、関係者への綿密な取材を基に掲載したものであり、問題はないと考えている。いずれにしても報道への政党からの圧力はあってはならず、県連から要望のある実名報道は個々の事例に応じて本紙が適宜判断する。