「蒸し風呂。まるで地下牢」バス運転手から悲鳴 那覇バスターミナル待機場所、40度近くの高温


この記事を書いた人 Avatar photo 宮里 努
施設内の温度が40度近くになっているバス駐機場の出口=2日、那覇市泉崎の那覇バスターミナル

 モノレール旭橋駅周辺再開発事業の一環で整備されたカフーナ旭橋(沖縄県那覇市)A街区にある那覇バスターミナルの地下1階駐機場が、原因不明の暑さに見舞われている。昨年10月に開業し、初めての夏を迎えたが、構内の温度が40度近くに達する日も出てきた。管理する旭橋都市再開発の担当者は「職場環境として異常だ」と指摘しており、路線バス4社と協力して原因究明に乗り出し、対策する構えだ。

 「日ごろから暑く、蒸し風呂状態。まるで地下牢(ろう)だ」。路線バスの運転手はあまりの暑さに駐機場の現状をこう表現した。この運転手が7月のある日、温度計で測ったところ「37度」に達した。

 駐機場の役割はターミナルに到着したバスが次の出発まで待機する場所で、一般の人は入れない。地下1階は35台収容できる。路線によって異なるが、10~50分ほど運転手がバス内で待機することもあり「バスの中で暑さに耐えることもある」(運転手)という。

 2日午前11時半。那覇市内は降りしきる雨で8月とは思えないほど涼しく気温は27度前後だった。だが、駐機場内に入ると温度計は33度まで上がり、湿度は80%に達した。風も通らず、すぐに汗が噴き出すような状況だ。バスに近づくとさらに熱気を感じたが、バス内で待機する運転手の姿も見られた。

 施設を管理する旭橋都市再開発によると、駐機場は空調機で空気が循環するように設計されている。空調機の循環が不調か、待機中のバスや空調機などの排熱が影響しているかとも考えられるが、原因は分かっていない。

 同社の担当者は「状況を憂慮している。改善しないとどうしようもない」と対策の必要性を指摘する。同社はバス各社と協力し、旧盆明けから原因を調査。判明し次第、対策を講じるという。
 (仲村良太)