沖縄、大学進学率初の40%越える 全国54%と依然、差大きい 高校は97% 学校基本調査


社会
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 文部科学省は8日、2019年度学校基本調査(速報)を発表した。県内は高校等進学率が前年度比0・1ポイント減の97・3%、大学等進学率が前年より0・5ポイント増の40・2%となった。県内の大学等進学率は初めて40%台になり、過去最高となった。

 県内の大学進学率は年々緩やかに増加しており、03年度統計の30・2%から10ポイント上昇した。今回の発表では高校卒業者数が1万4861人で、そのうち大学等進学者数は5973人だった。

 進学率が改善した背景について、県教育庁の担当者は「生徒指導の取り組みの成果が大きい。教員たちの地道な活動の成果だ」と話した。

 また、生徒を県外の大学に派遣して進学への意識を高めてもらうことや教員の研修を目的とした「進学力グレードアップ事業」も進学率向上につながったのではないか、と推察した。

 一方、全国の高校等進学率は98・8%、大学は54・7%となっており、依然として全国との差は大きい。県の「子どもの貧困対策計画」は大学等進学率を21年度までに45%まで引き上げることを目標にしている。


◆特別支援学校が大幅に増加 2019年度は163教室新設

 8日に文部科学省が発表した学校基本調査(速報)によると2019年度、県内の小学校で120学級、中学校で43学級の特別支援教室が新たに設置された。14年度の特別支援学級数は小学校で431、中学校で195となっており、6年間で学級数が小学校で2・1倍、中学校で1・8倍まで大幅に増加した。

 11年度まで、特別支援教室を設置するには対象の生徒が5人以上いなければならないとされていた。しかし「児童生徒の特性に合った学びを保障する」という関係者らの要望を基に、設置に必要な生徒数が引き下げられた。現在は該当する生徒が1人でも設置が可能となっている。

 県立学校教育課よると、10年ほど前から県内の特別支援教室は右肩上がりに増えており、その理由の一つに設置基準見直しがあると見ている。その他の背景として、同課の担当者は「学校内で支援体制が構築されたことと、保護者などに理解が浸透したため」と話した。その上で「より生徒のニーズに合った教育ができるようになったメリットは大きい」と意義を語った。

 県内学校数は、幼稚園と保育所の統合が進んだことにより幼稚園が34園減り、幼保連携型認定こども園が35園増えた。小中学校は各1校ずつ減少した。高校は64校で変わらなかった。