「本籍は社大、現住所を立民に」 平良氏に衆院出馬打診で有田芳生氏 「引き抜き」受け止めは「遺憾」


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有田芳生参院議員

 次期衆院選に向け立憲民主党が社大党書記長の平良識子那覇市議に沖縄4区からの出馬を打診したことを巡り、立民県連会長の有田芳生参院議員は8日、本紙の取材に応じた。県政与党の一部から「引き抜きだ」と批判がでていることについて有田氏は立民への移籍との見方を否定し「本籍はあくまで社大党、現住所を立民とする形もある」と述べ、平良氏が社大に籍を残したまま国政で活動する手法もあるとの考えを示した。欧州では地域政党と全国政党が協力して国政候補を擁立する例もあり「政策面の親和性は高く、伝統ある社大党と立民の協力関係の強化を願う」と述べ、将来的な政党同士の連携強化にも含みを持たせた。有田氏は立民から沖縄4区で公認候補を擁立する方針は変わらないと強調した。

 「引き抜きと受け止められたことは遺憾だ」とした上で、平良氏に打診した際にも、社大に党籍を残したまま国政で活動する方法もあると提案したとした。

 平良氏が「オール沖縄」の中で果たした役割を踏まえ「いずれ沖縄のために国政で働いてもらいたい考えは変わらない」と話し、国政での活躍に改めて期待感を示した。

 「オール沖縄」勢力唯一の空白区となる衆院沖縄4区を巡っては、前職の仲里利信氏のように保守系無所属から選考すべきだとの声もある。一方、立民による平良氏擁立の動きについては共産や社民、国民民主は静観する姿勢だ。オール沖縄勢力の全国会議員が男性となった中、女性の擁立に理解を示す関係者もおり、今後は各党派の調整が課題となる。