全国高校総合体育大会「感動は無限大 南部九州総体 2019」は8日、九州各地で行われ、ハンドボール男子の興南は準決勝で香川中央に22-26で敗れ、3位となった。
春の選抜王者・香川中央に対し、興南は守備から食らいつき、攻撃でも相手守備の穴をつくり、ゴールの隅へシュートをたたき込んだ。一歩踏み外せば崩れそうな緊張感の中、力を尽くしたが「相手が一枚上手だった」(黒島宣昭監督)。
香川は全員がシューターのような得点力の高いチーム。興南も伊禮雅太と弟の颯雅のパス回しから崩し、前半は一時、2点リードした。互いに堅守が機能していたが、香川は打開策として7人攻撃へ変更した。
興南も対策はしており、大城佑吏や田仲康太郎、新垣宏太らがぶつかって脚を止めるが「押し込んでくる力が他と違った」(大城)とねじ込まれる。数的有利も生かされて両サイドまで展開された。セーブ率が高いGK西原雄聖でも止められず「これでやられて攻守で焦った」と悔しがった。
11―11で後半が始まったが流れは香川へ傾く。興南は雅太が厳しいマークを受け、決定率が下がるロングシュート勝負に追い込まれてしまう。颯雅も隙を探ったが、相手守備に近いパス回しを奪われたり、ミスしたりで逆速攻されるなど、じりじり離された。
3年生らは人目もはばからず涙した。田仲は高校入学後、両肩の脱臼癖で守備専門となったが「自分が攻撃でも活躍できれば戦力が増し、結果も違った」と責任を感じていた。全国3冠を目指して興南に集った3年は、今秋の国体でリベンジすることを決意。大城は「春の選抜の敗退から皆がレベルアップしてる。国体までに守備を鍛え、相手エースを抑える力を付ける。同じ結果は繰り返さない」と、赤い目で強気の言葉を振り絞った。(嘉陽拓也)
※注:伊禮雅太の「禮」はネヘン