エース活躍 地元Vへ一丸 知念《南部九州総体2019》


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団体予選リーグ 知念―津幡 鮮やかなメンを決める知念の次鋒・砂川海空(右)

 全国高校総合体育大会「可能性は無限大 南部九州総体2019」は10日、九州各地で行われた。なぎなたは3校ずつで競う予選リーグを行い、首里、知念は共に2戦2勝で12日の決勝トーナメント進出を決めた。

 2015年以来の全国総体出場となった知念はエース・砂川海空の活躍もあり、予選を突破した。瀬長睦子監督は「たくさん応援してもらっていたのでとにかくほっとしています」と声を弾ませた。

 全国のチームの情報が少ない中で先鋒(せんぽう)は下地星南、次鋒に砂川を配置したオーダーがはまった。下地は果敢に攻め込み、一本こそ取れなかったが、流れを呼び込んだ。チームの大黒柱である砂川は控えにいる中堅の山田望来が緊張しているのを見て「後輩ががちがちだったので一本取って安心させたい」とコートに入った。いつも以上に周囲の声が聞こえ、相手がどこを狙っているのかまで冷静に見えていた。初戦の優勝経験のある津幡(石川)戦では面を立て続けに決めて、大将・兼次七実もあとに続いた。2試合目の国学院栃木戦は痛めていた左足に痛みが出たが「逆に冷静になれた」と小手を決めた。

 競技に集中するために県立武道館近くに宿舎を取り、チーム全体で競技に集中する環境を作って挑んでいる今大会。狙うは地元開催の2010年の美ら島総体以来の優勝だ。学校の練習場には当時の先輩たちの新聞記事が貼られており「この歴史や伝統をつないでいきたい」(砂川)とチームの思いは強くなっている。決勝まで勝ち進めば、県大会で敗れた首里との再戦もありえる。試合では団体戦のみの出場のエース・砂川は「個人戦が好きだったので周りとの温度差があり、最初は不安もあったが、今はこのチームで、メンバー外も含めて総力戦で勝ちたい。自分たちらしく全国制覇をしたい」と地元での優勝、そしてライバルへのリベンジに向け、より集中力を上げていく。

 (屋嘉部長将)