あきらめず一致団結 3年・照屋「恩返しを」と涙《南部九州総体2019》


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男子団体組手3回戦 果敢に攻め、ポイントを狙う浦添の照屋心渉(右)=10日、名護市の21世紀の森体育館(大城直也撮影)

 全国高校総合体育大会「可能性は無限大 南部九州総体2019」は10日、九州各地で行われた。空手道男子団体組手の浦添は2回戦を突破したが、3回戦で敗れた。

 涙があふれて止まらなかった。男子団体組手で3回戦に進出し、福井工大福井に敗れた浦添の副将・照屋心渉(3年)。「最後の大会。今まで一緒に頑張ってきた仲間や監督、家族に勝って恩返ししたかった」と涙をぬぐった。

 初戦の2回戦は松山工(愛媛)との対戦。先鋒(せんぽう)の宮城正之介が内容勝ちで先陣を切ると次鋒の照屋、中堅當山晃生、副将の新里恵斗、大将八木虎平の全員が勝ち星を挙げて5―0と圧倒し、16強入りを決めた。

 3回戦は先鋒の八木が先取された後、果敢に攻めるも2―4で敗退。続く當山も攻めきれず2―3で敗れた。照屋は先取された後、裏回し蹴りで取り返そうとしたがポイントは奪えず。「ずっと攻撃していたが、点に結び付かなかった。焦りがあった。先制された時、落ち着いて取り戻すことができたら結果は違った」と振り返る。

 2年生主体の若いチームで、まとめ役の3年生として、声を出して盛り上げるよう心掛けてきた。「皆が最後まであきらめず、一致団結して戦えたところはよかったと思う」と前を向いた。

 伊禮光国監督は「先制して流れをつくりたかった。技は先に出しているが、明確じゃないので旗が上がらなかった」と残念がる。全国総体の場を経験できた2年生の新チームについて「ぶつかった後、いかに速く先に技を繰り出せるか。今後の課題だ。また練習するのみ」と鍛え上げていくつもりだ。

 (岩切美穂)