特定の状況になると話せなくなる「場面緘黙」を知っていますか? 小学生の500人に1人が症状 「話せない背景、見極めて」


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場面緘黙(かんもく)の子どもたちの思いや支援について講演する長野大学の高木潤野准教授=11日、那覇市のてぃるる

 家庭で自然に話すことができても、学校など特定の状況になると話せなくなる―。そんな「場面緘黙(かんもく)」の症状への認知を広め、改善に向けた取り組みや支援の在り方を考える講演会(同実行委主催)が11日、沖縄県那覇市の県男女共同参画センターてぃるるで開かれた。480人を超える参加者が会場を埋め尽くし、熱心に講演に聴き入った。

 言語・コミュニケーション障害の専門家で、長野大学の高木潤野准教授が「学校における場面緘黙への対応」と題して講演した。

 場面緘黙は、強い不安と緊張などで話すことや他の動作が抑制され、「その人らしさ」が発揮できなくなってしまう状態だという。緊張して腹痛が出るのと同様に、緘黙の子は「話せない」状態になることもある。小学生500人に1人ほどの割合が持つ症状で、半数は言葉の苦手さを抱えている。他の不安症を併発する人もいる。

 緘黙の子を持つ保護者や教育関係者が詰め掛けた講演で、高木氏は「道のりは険しいが、場面緘黙は適切な対応で改善させることができる」と力を込めた。支援方法については「話せない状態の背景に何があるのかを見極める必要がある。本人以外(の要因)にも目を向けてほしい」と話し、「安心できる環境を整えることで、持っている力やその人らしさを発揮できるようにすることが大切だ」と語った。

 さらに改善できる方法は人それぞれで「できないことではなく、頑張ればできそうなことを本人が選ぶことが大事。できることを少しずつ積み重ねてほしい」と強調した。学校では「自立活動」として状況を改善するための指導を受けられる場合もあり、「親の会など仲間と協力して、学校や教育委員会へ早急に相談してほしい」と勧めた。

 実行委で、宮古島緘黙っ子の親の会(ゆりの会)の玉那覇紀恵会長は「まだ認知度が低く、誤解されることもある。早期の発見と支援が必要で、一人一人に合った支援や配慮を考えていきたい」と話した。