山里(柔道男子90キロ3位)強気貫く 得意の内股、強敵に全力で 南部九州総体・柔道


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男子90キロ級準決勝 積極的に仕掛け続ける沖縄尚学の山里健太(右)=11日、鹿児島市の鹿児島アリーナ(喜屋武研伍撮影)

 全国高校総合体育大会「感動は無限大 南部九州総体 2019」は11日、九州各地で行われた。柔道は男子個人90キロ級の山里健太(沖尚)が準決勝で敗退して3位だった。

 男子90キロ級の準決勝に、県勢で20年ぶりに臨んだ山里健太(沖尚3年)。豪快に内股を仕掛け続けるが、相手に鮮やかに返されて一本負けした。あおむけになったまま両手で顔を覆い、しばらくその場から動けなかった。

 各階級の王者に1本ずつ与えられる優勝旗。幼い頃から夢見ていた大旗が視界に入っていただけに、「悔しい。でも力は全て出し切った」と一点を見詰めたまま話した。

 準決勝の相手は、団体優勝を果たした国士舘の道下新大だった。小学校時代から飛び抜けた存在で、同年代からは「目指すべき存在」だったという。

 鋭い内股を軸に勝ち上がってきた山里。試合開始早々、距離を詰めて激しい組み合いが始まった。山里は右組み、相手は左組みと「けんか四つ」のため、互いに襟を取ったまま引き手を取り合う。山里は積極的に仕掛け続けたが、冷静にさばかれてしまった。

 試合後、新垣琢也監督は「得意な柔道を出しきっていた。良い試合だった」と賛辞を送った。日々の練習では、汗で水たまりができるほどに、人一倍努力してきた。南風原中時代から共に切磋琢磨(せっさたくま)してきた糸数未来斗(2年)は「(山里は)日本一目指してずっと頑張っていた。尊敬できる先輩です」と話した。主将は後輩に確かな足跡を残していた。

 大学進学後も柔道を続ける。「まだまだ満足しているわけじゃない。大学では日本一を取る」。豪快な内股で、次こそ頂上まで登り詰める。
 (喜屋武研伍)