佐和田(浦添)女子形5位 勝負のパーチェー 「悔いない」 南部九州総体・空手道


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女子個人形3位決定戦 力強いパーチューを演武する浦添の佐和田莉乃=11日、名護市の21世紀の森体育館(大城直也撮影)

 全国高校総合体育大会「感動は無限大 南部九州総体 2019」は11日、九州各地で行われた。空手競技の形は、女子の佐和田莉乃(浦添)が3位決定戦で1・08点差で上位入賞を逃した。男子の川村真太郎(同)も3位決定戦で競り負けた。佐和田と川村は5位だった。

 佐和田莉乃(浦添3年)が持てる力を全て出し切った。伊禮光国監督のみならず、道場を持つ母の香織さんなど、多くの人の支えに後押しされてきた。10日の第3ラウンドは2位で決勝を逃し、3位決定戦に回って泣いたが「できることは全てやってきた」。長年の練習を最後に出すだけだった。相手が演武している間も、自分の形を何度も確かめて意識を集中させた。しかし、自信のある形は出し尽くしていた。4月に新ルールが決まって以降、形を1つ増やす必要がありパイクーに取り組んできたが「キメが甘かった」と1週間前にパーチューに変えた。完成には遠く下段蹴りなどでキメが弱く、22・80点と1・08点差で敗れた。一方、全国優勝を争う選手は終盤で高得点をマークする勝負強さがあった。それでも「課題は多く残る形だったけど、今出せる力は出しきった」と悔いは残さなかった。

 大会初日まで「負けるんじゃないか」と不安は消えなかった。10日夜は信頼する仲間の上原花音と話し「結果を出すよりも、後悔しないように出しきってきて」という言葉を護符に力をもらってきた。

 昨年の県総体は3位で出場がかなわず、初の全国総体は個人最高位の5位で幕を閉じた。「全国総体のためにがんばってきて、最後は悔いなく終われた」と出し尽くした結果に万感の思いを抱き、新たなスタートを切った。
 (古川峻)