「宮森も沖国大も同じ、沖縄の人は蚊帳の外」 宮森小ジェット機墜落事故経験の石川さん ヘリ墜落15年の集いで大学3年の孫、平安山さんと願うのは「平和」


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意見発表をした平安山良斗さん(左)と祖母の石川光枝さん

 沖縄国際大で開かれた集会で意見発表をした同大3年の平安山良斗さん(20)=宜野湾市=は、基地問題の解決には「(日米)政府同士で話し合うことが大事」とし、現状を変えるため「選挙に参加して自分たちの代表を選ぶこと、関心を持つことが解決への近道だ」と訴えた。会場で孫の姿を見守っていた祖母の石川光枝さん(81)は宮森小学校米軍ジェット機墜落事故を経験したが、笑顔の裏で心に秘め続けてきた。そんな祖母と孫の平和を願う思いが、集会の場で一つに重なった。

 石川さんは宮森小の事故当時、学校近くの銀行に勤めていた。近隣の親戚は無事だったが、事故現場を見てがくぜんとした。「あの日を思い出すのも嫌だ」と声を震わせる。沖国大ヘリ墜落事故の日は、外出先から自宅に帰ろうとしても規制線に阻まれた。「宮森も沖国大も一緒。沖縄の人は蚊帳の外だった」

 意見発表で平安山さんは、学校上空を米軍機が飛んだり騒音で授業が中断されたりしても「当たり前な日常だと感じてきた」と振り返った。基地問題の解決には「関心を持つことが大切だ」と強調した。そんな孫に、石川さんは「私たちができなかった(米軍普天間飛行場の)返還ができるように頑張って」と基地のない安全な暮らしの実現を託した。