夫婦愛 笑いと涙誘う 大伸座の沖縄芝居「ともしび」11年ぶり上演


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沖縄芝居「ともしび」でウスメーとハーメーを演じて観客の笑いと涙を誘った嘉数道彦さん(右端)と伊良波さゆきさん(左から2人目)ら=17日、浦添市の国立劇場おきなわ

 沖縄芝居の名優・大宜見小太郎、静子夫妻が率いた劇団「大伸座」(大宜見しょうこ代表)の沖縄芝居「ともしび」(小太郎作)が17日、沖縄県浦添市の国立劇場おきなわで11年ぶりに上演された。大宜見夫妻生誕100周年と「大伸座」旗揚げ70周年を記念した公演。共催は琉球新報社。大宜見夫妻が演じてきたウスメー役とハーメー役に抜てきされた嘉数道彦さんと伊良波さゆきさんが好演し、観客の笑いと涙を誘った。

 「ともしび」は八重山を舞台に、ウスメー(嘉数)と、しゃべれず耳が聞こえないハーメー(伊良波)の情愛を描いた物語。演技指導を務めた八木政男さんは「限られた稽古時間で、さゆきさんも道彦君も役に成り切りよくやっていた」と熱演をねぎらった。

 1部は「幸せの舞~小太郎、静子とともに~」と題して、「ひょっとこの舞」や「戻り籠」など大宜見夫妻にゆかりのある踊りや歌を、小太郎の孫の大宜見拓馬さん構成で演じた。小太郎の映像が舞台に映し出されるたびに、客席から拍手が起こった。

 しょうこ代表は「父が亡くなって20年以上たつが、相変わらず一番拍手を持っていくと感じた。(客席も含めて)みんなで作ったお祝いの舞台だった」と目を潤ませた。