「一つ一つ、重み感じる」 池袋暴走 母子遺族、那覇で署名活動


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署名に訪れた知人と言葉を交わす上原義教さん=18日、那覇市の県民広場

 東京・池袋で車が暴走し、沖縄県那覇市出身の松永真菜さん(31)と長女莉子ちゃん(3)が死亡した事故の発生から19日で4カ月。18日には運転手に厳正な処分を求める署名活動が、那覇市の県民広場で行われた。約5時間半で1万2千筆ほどが集まり、街頭に立った父親の上原義教さん(62)=那覇市=は「一つ一つに重みがある。私たちも一生懸命やっていかないといけない」と語った。

 18日は真菜さんの親族や友人ら約60人が集まり、署名を呼び掛けた。上原さんは「私にとっては昨日のことのようで、毎日悲しみの中で過ごしている。4カ月たっても苦しみは増したかもしれない」と話した。「普通に罪を償ってくれれば、私も顔をさらしてまで署名活動をしなくていい。何もいらないから、真菜と莉子を返してほしい」と涙ながらに訴えた。

 真菜さんの夫(32)によると、郵送などで集まった署名は16日までに15万筆を超えた。夫は「署名活動が正しいのか、すごく悩んだが、できることがあるならやろうと思った。署名をきっかけに、さまざまな議論がなされ、制度改革につながることも望む」と話した。

 事故は4月19日昼に発生。旧通産省工業技術院の飯塚幸三元院長の車が横断歩道に突っ込み、自転車に乗っていた真菜さんと莉子ちゃんの2人が死亡し、10人がけがを負った。