廃車のガラスがロックグラスに 循環型社会へ貢献 琉球ガラス村×拓南商事


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廃車のサイドガラスをリサイクルして生産したロックグラス

 琉球ガラス村(沖縄県糸満市)とリサイクル事業などを手掛ける拓南商事(うるま市)が共同で、廃車のガラスを再利用する取り組みを進めている。処分されることが多い廃車のガラスをリサイクルし、商品化することで循環型の社会づくりに貢献する。ロックグラスの製品が完成しており、8月末の発売を予定する。琉球ガラス村の担当者は「県民にもリサイクルしたガラス製品を使ってほしい」と語った。

 リサイクルするのはサイドガラスで、廃車から取り出した後に粉砕してごみを取り除き、ガラス製品の原料にする。琉球ガラス村の職人の技術を活用し、ロックグラスなどの製品に仕上げる。サイドガラス1枚は重さ約2・2キロで、ロックグラスなら10個程度を製造できる。

 リサイクルした製品は通常のガラス製品と同等の品質がある。車両のガラスが原料でも人体への影響はなく、成分分析の結果、食器としての利用に問題がないことも証明されたという。フロントガラスやリアガラスは金属など複数の成分が混在しているため、リサイクル製品に活用していない。

 拓南商事が廃車ガラスの利活用方法を模索していたところ、ガラス加工の技術がある琉球ガラス村と協力することが決まった。今後はサイドガラスを原料にした皿や水差しなど、さまざまな製品を生み出すことを目指す。

 琉球ガラス村営業部の川上英宏部長は「かつては飲料の瓶を原料にして琉球ガラスを製造していた。リサイクルは琉球ガラスの歴史とマッチしている。持続可能な社会の実現に向けて、工芸の分野でできることをやりたい」と強調した。
 (平安太一)