性暴力被害者を一人にしない ワンストップ支援センター、きょう運用開始 病院拠点に24時間体制


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電話相談が受けられる居室などが入る事務室を見学する関係者ら=19日、県内

 性暴力被害者の相談や医療支援に24時間体制で当たる病院拠点型の「県性暴力被害者ワンストップ支援センター」が20日午前9時から運用を始める。相談が中心の従来の機能から移行し、病院に併設することで迅速に診察を受けられるようにするのが狙い。カウンセリングや司法関係者との面談なども含め総合的な支援を施設内で提供することで、被害者の心身の負担軽減を図る。同様のセンターを専用施設で運用するのは沖縄が全国で初めて。相談窓口は(電話)#7001。

 運用開始を前に19日、関係者を招いた施設見学会が開かれた。

 センターは365日24時間体制で、相談員2人が常駐し電話相談に応じる。診察室を新設し、産婦人科医や小児科医らが診察、性感染症検査、緊急避妊などに当たる。夜間は拠点となっている病院の当直医らが支援に回る。

 面接室は複数の被害者に対応できるよう2部屋設置した。警察や検察、児童相談所が別室からモニターを通して同時に司法面接できる仕組みにしている。

 登録する相談支援員は33人で全員女性。事案に応じて施設内で臨床心理士のカウンセリングも受けられる。2016年4月から初回処置料や検査費用などを支援する医療費助成制度も整備している。

 県性暴力被害者ワンストップ支援センターは15年2月、相談機能を中心に、協力病院や警察などにつなぐ連携型の施設として開設した。19年3月末までに寄せられた相談の延べ件数は2994件で相談者数は287人に上った。うち10代以下が95人で最も多く全体の3割を占めた。

 県子ども生活福祉部の大城玲子部長は「病院拠点型で相談からすぐに医療につなげられる。これまでの相談支援から10代が多いことも分かり、子どもへの対応も可能な施設として整備した。各機関の連携を図る拠点として被害者の支援体制強化に努めたい」と話した。

 #7001がつながらない場合は(電話)098(975)0166。