アイドルの追っかけからアイドルに One-OP・あかり


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「全国に注目されるアイドルを目指す」と意気込むOne-OPのあかり=4日、那覇市のOutput

 4日、沖縄県那覇市のライブハウスOutputにはバンドの奢(しゃ)る舞(まい)けん茜(あかね)やLily drop、アイドルグループRYUKYU IDOLなど、県内で活動している音楽グループが集結した。このライブを開いたのは糸満市出身のアイドル、あかり。今年6月、Outputで出会った音楽仲間と一緒に「One―OP(ワンオーピー)」と呼ばれるプロジェクトを立ち上げ、ソロでデビューを果たした。「全国に注目されるようなアイドルになりたい」。音程や発声、パフォーマンスに日々磨きをかけながらまい進している。

 元々アイドルの追っかけをしていたというあかり。「かわいい人を見るのが好きで、自分がアイドルになるとは全然思わなかった」と振り返る。昨年、職場の上司が組んでいるバンドに入ったことがきっかけで、歌が好きになり「アイドルになりたいと素直に思うようになった」と語る。

 今年3月、アイドルグループBiSHなどが所属する事務所のオーディションに応募するも落選した。そのことを県内でバンド活動する下田義之に相談すると、Output店長の上江洲修がアイドルのプロデュースに動いていると、教えてくれた。「実際に上江洲さんと会って話したら、自分と上江洲さんの考えるアイドル像が一致した。それで一緒にやってみようと決意した」

 それからは一瀉千里(いっしゃせんり)にことが運び、6月2日、ワンオーピーが結成された。Outputに集うバンドマンから楽曲が提供され、その曲をあかりがステージで歌う。上江洲は「あかりさんの活躍と同時に、沖縄のバンドマンが作曲することで沖縄のサウンドクリエーターの実力が伸びるきっかけになれば」と期待する。

 8月19日にはあかりが実体験を基にして作詞した新曲「恋愛相談」のミュージックビデオが公開された。「好きな人から恋愛相談を受けて恋が実らなかった歌。初めて作詞したので、隠喩などがなく、ストレートな言葉でつづられている」と照れながら笑う。

 幼い頃から太鼓や三線など、沖縄の楽器に触れてきたあかり。太鼓では徳八流太鼓妙の会に所属して、琉球古典芸能コンクールでは優秀賞を受賞する腕前だ。「いつか沖縄音楽をモチーフにした曲もつくりたい。三線を弾くアイドルもありかなと思う」と柔和な笑顔を見せた。
 (金城実倫)