求職者、広告と違う説明に不満 企業側は対応消極的、双方に意識の相違 求人おきなわ調査


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 求人情報誌「アグレ」を発行する求人おきなわ(那覇市)は20日、求人企業と求職者双方の面接時の意識などを探る採用実態調査結果を発表した。応募者の多くが求人広告と異なる説明を受けたことを不満に思っているが、その対策を重視していると答えた企業は比較的少なく、企業と応募者の見解に乖離(かいり)がみられた。

 調査は、働いた経験・働く意向がある県内在住者510人と県内企業240社を対象に、インターネットを中心にアンケートを実施した。

 企業側の回答で応募者の辞退を防ぐ対策として多かったのが「面接案内の早めの連絡」(82%)、「面接日程の柔軟な対応」(81%)だった。人手不足が深刻化する中、約8割の企業が面接を実施するまでの対応で迅速・柔軟性を心掛け、辞退を防ぐ対策として重視していることが分かった。

 調査では、59%の応募者が複数の企業に同時に応募し、39%が企業からの連絡が遅かった場合は「他の求人に応募する」と回答。求人おきなわ企画開発部の田里幸司次長は「売り手市場で仕事があふれる中、面接段階で違和感を覚えた応募者は、内定が出ても辞退する人も多い」と話す。

 一方で、応募者が面接時に不満に思ったことで最も多かったのは「求人広告と面接の話が違った」と「面接官が上から目線だった」がそれぞれ41%を占め、「面接官の印象が悪かった」(39%)が続いた。

 これに対し、企業側で「応募者へ丁寧な対応を行っている」と答えたのは65%、さらに「求人広告に相違がない説明をしている」と答えたのは40%にとどまり、応募者の持つ意識とミスマッチが起こっている可能性がある。田里次長は「企業の初動対応は悪くないが、面接段階で求職者に寄り添った対応ができていない」と分析した。