台風11号、午前に先島最接近 海、空の便欠航も


この記事を書いた人 Avatar photo 宮里 努

 大型の台風11号は23日午後6時現在、フィリピンの東を時速20キロで北西に進んでいる。今後、発達しながら先島諸島の南海上を進み、24日の午前には、暴風域を伴って先島諸島に最も接近するとみられる。沖縄気象台によると、台風が予報円の中心を通れば沖縄地方が暴風域に入ることはないという。ただ、24日にかけて八重山地方では非常に強い風が、宮古島地方でも強い風が吹く見込みで、うねりを伴う高波や強風に十分な注意が必要だ。

 台風の中心気圧は990ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は25メートル、最大瞬間風速は35メートル。中心から半径500キロ以内は風速15メートル以上の強風域。

 台風の影響で23日の海の便は乱れが出た。沖縄旅客船協会によると西表島の船浮―白浜や泊―座間味の計12便が欠航。24日も石垣島と周辺離島を結ぶ船を中心に欠航の恐れがあるという。

 沖縄関係の航空路線にも影響が出ている。格安航空会社(LCC)のピーチが24日に運航する那覇―台湾・高雄線の航空便2便の欠航が決まった。同社は358人に影響が出ると試算している。
      
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 【八重山】台風11号が接近する石垣島の港では23日、漁師やマリンレジャー業者が陸揚げした船を固定する作業など、台風対策に追われた。台風接近を受けて、25日に竹富町西表島で開催予定だった「第9回ぱいぬ島まつり」は中止となった。

 登野城漁港で台風対策をしていた船長(62)は「今のコースだと大丈夫だとは思うが、進路変更したり発達したりするかもしれないから万全を期して対策している」と話し、「数日は漁に出られなくなるので少し痛いが、何事もなく通り過ぎてほしい」と願った。

 台風接近の影響で、24日に石垣市運動公園で開かれる予定だった八重山地区高等学校新人体育大会の陸上競技の中止、テニス競技の延期も決まった。

船上部のカバーを固定するマリンレジャー業者=25日、石垣市の浜崎マリーナ