対馬丸が縁 平和交流へ出発 小中学生、鹿児島・宇検へ


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
鹿児島県宇検村での平和学習交流事業に出発した小中学生と保護者ら=23日、那覇空港

 22日に撃沈から75年の節目を迎えた対馬丸の悲劇を通して戦争の悲惨さを学ぼうと、県内の小中学生と保護者らが23日、生存者や犠牲者の多くが流れ着いた鹿児島県大島郡宇検村に向けて出発した。那覇空港で出発式が行われ、参加者は「宇検村の人たちと交流し、平和の尊さを学びたい」と意気込みを語った。

 「対馬丸平和学習交流事業」として、県が昨年に続いて主催した。事業には本島在住の小学5、6年生と中学生、保護者の30人が参加。宇検村の小中学生と交流する。参加者を代表してあいさつした浦添中2年の宮城蓮華(れんか)さん(13)は「宇検村の人たちとの交流が楽しみ。平和のありがたみを感じる機会にしたい」と語った。保護者代表の前原有希子さん(44)=那覇市=は「親として戦争と平和についてどうやって子どもに伝えていくか考えるきっかけにしたい」と話した。

 宇検村一帯の海岸には、対馬丸撃沈から約1週間後に、生存者や多くの遺体が漂着。村民らが総出で救助に当たった。