姉を父母の元に…サイパンの海に遺灰まく 弟「きっと喜んでいる」


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戦争で亡くなった両親が眠るサイパンの地で姉の遺灰の一部を海にまく宮城良夫さん=26日、サイパン

 サイパンで生まれ、大宜味村で育った宮城良夫さん(86)=徳島県=は26日、同じサイパン生まれで戦後共に帰還し、昨年6月に他界した姉の遺灰の一部をサイパンの海にまいて供養した。

 米軍の攻撃で犠牲となった両親を追悼する慰霊祭を前に、亡くなった姉を連れて来ることができて「きっと喜んでいる」と話した。

 宮城さんの弟信昇さんもこれまでに一緒にサイパンを訪れることがあったが、今回は体調が悪く参加できていない。

 信昇さんも銃弾で右手を失った。良夫さんは「右手がぼろぼろで捕虜となり米軍の病院で右手を切り落とされた」と当時を振り返り「今回は弟の分も、きょうだいの代表として両親を弔いに来た」とし、姉の遺灰が散った海に向かって静かに手を合わせた。