川平湾で新種のエビ発見 スナシャコエビ類で体長1・5センチ


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
新種のカビラスナシャコエビ(藤田喜久氏提供)

 沖縄県立芸術大学の藤田喜久准教授と千葉県立中央博物館の駒井智幸主任上席研究員が、石垣市川平湾の干潟から新種のスナシャコエビ類を発見した。学術雑誌「ズータクサ」に8月23日付で掲載され、両氏は発見地にちなみ、この新種の標準和名を「カビラスナシャコエビ」に決めた。

 スナシャコエビ類は十脚目アナジャコ下目、ハサミシャコエビ科に属する小型のアナジャコ類の総称。砂泥質の底質環境に生息する。今回の新種は甲羅の長さが5・5ミリ、体長1・5センチ程度の小型種。スナシャコエビ類の中でアクシアナーザ属に分類される種はこれまで世界で11種知られるが、日本では初。

 環境省が全国約千カ所を指定して生態系のモニタリング調査を行う「モニタリングサイト1000」の「石垣川平湾サイト」での毎年調査で発見。藤田氏らは県の許可を得て調査した。藤田、駒井両氏は「川平湾は保護海域として生物採集や過度な開発が制限されているため良好な自然環境が残され、高い生物多様性が維持されていることが今回の発見につながったとも考えられる」とコメントした。